2017/09/18 ブルノの夜 With Pivo in Brno

2017/9/17 Brno, Czech, Pegas Pivoで乾杯

ブルノのビールではないけど、チェコの代表的なビール「ピルスナー・ウルケル(Pilsner Urquell)」が2018年に、日本で発売になるのだそうだ。チェコが日本に近づくね。

日本には日本酒という立派なお酒があるけど、国内の消費量を見ると、ビールの方が圧倒的に多いので、ビールの国に親しみを感じてしまうのかもしれない。酒を飲みに行けばまず「とりあえず」ビールから始めることが多いからね。日本人は流行に乗る人が多いからか、焼酎ブームが来たり、ウィスキーになったり、ワインになったりと、結局何でも飲むので、国税庁の酒レポートを見ると、最近ではいい意味でも悪い意味でも、バランス良くいろんな種類の酒を飲む国民のようだよ。

印象だけだけど、ヨーロッパには、ビールがメインの国とワインがメインの国があるよね。お酒の材料になる穀物や果物の育つ気候や、土壌、たぶん、硬水や軟水といった水によってそれぞれの土地に適したおいしいお酒っていうのがあるんだろうなって思うんだ。それって、その土地の人の気風にも大きな影響があるんじゃないだろうかって。毎日毎晩ビールを飲んで楽しくなる人と、ワインを飲んで楽しくなる人とで、やっぱり何かが違うんじゃないかな。定年退職したら、世界を飲み歩いてそんなことでも調べて歩こうかななんて思ったりしているよ。お酒は人と人とのつながりを醸すからね。よく飲まれる酒の種類によって、醸される関係や雰囲気が違ってくるって、飲みながら「研究」するにはいい題材だと思わない?

チェコ ブルノでの最後の夜はやっぱりビールを飲みたかったんだ。日曜日の夜だったけど、パブが開いていてよかった。いい店だったね。Pšeničné pivoって、英語だとWheat beerだから、小麦のビールってことかな?上面発酵って書いてあったね。このビールにはレモンスライスが入っていて、さっぱりと飲みやすくなってた。もちろん、おつまみはチェコ料理。Svíčková na smetaněって、肉をスープに浸している料理。ビールにぴったり合うおいしい料理だった。写真付のメニューで注文しやすくて助かったよ。

娘と二人でチェコのパブでビールを飲むっていうことも素敵だった。日本ではまだそんなことしたことなかったのに、チェコだからこそ、だったのかな。ビールは嫌いだと思っていたら、ずいぶんと大きなグラスを飲み干しちゃってびっくりしたよ。

旅の思い出を残しておこうと思って、Leuchtturm 1917という真っ赤なノートを買ったんだ。ドイツのメーカーのノートだけど、ブルノの本屋さんで見つけたんだよ。万年筆で書いても裏うつりのしないいい紙を使ったノート。今や大学のレポートもパソコンで書いて、メールで送信という時代。教科書、教材もネット上からダウンロードして勉強する時代だけれども、ノートに向かって、ペンで字を書くっていうのがちょっと素敵かなって思ってね。ちょうど100年前に創業した会社だから1917っていう年号が入っているんだと思うけど、この1917ていう数字にもちょっと惹かれたんだよね。よかったら使ってみてね。

海外で暮らすこと、学ぶこと。世界のどこにいてもそうだけど、楽しいこと、嬉しいことばかりじゃないよね。辛いことも、悲しいこともあるし、うまくいかないことがたくさんあって、外国ならではの苦労もあるよね。でも、自分で選んだ道、一歩一歩、ゆっくりマイペースで歩いて行ってくれたらいいなって思っているよ。

よく後悔しないように、っていうけど、後悔なんかいくらしたっていいし、後悔のない人生なんてつまらないって思うよ。悔いることがあっても、それに囚われずに、また前を見て、朗らかに生きていければいいんじゃないかな。人生が、自分で思い描いた通りになっている人なんてそうはいない。だから、そう、時にはお酒と一緒に歩いた道を振り返って、悲しくなったり、涙が出たりすることもあるんだよ。声を出して泣いたっていい。でも、お酒は楽しいときにも一緒にいてくれるよ。楽しく笑ったり、大きな声で歌ったり。お酒は友だちとのつながりも醸してくれるから、大いに楽しんだらいい。一人で飲むときは、いつでも素敵な言葉と一緒にね。言葉、読む言葉、人とかわす言葉が人を生かしてくれるし、勇気もくれる。人は言葉を噛みしめながら育ち、生きているんだなって、子育ても終わりになりかかってようやく思いが至ったよ。それもお酒が教えてくれたのかもしれないね。

素敵な街に素敵な人たち、こんな街で元気に前を見て暮らしている姿を見て、心から安心したよ。さぁ、おつもりにしよう。明日は日本に帰るね。

 

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