夕食は鴨料理で有名なU Modre Kachnickyをインターネットの店のサイトから予約していた。ヴルダヴァ川の反対側にあるので、どうやって行ったものか。
チェコでも役に立ったのがGoogle Mapで現在地から目的地まで、バスなどの公共交通機関の案内も出てくる。また、チェコ国内の交通機関はIDOSというアプリでも言語を英語に設定して検索できる。近くから出るバスに乗れば乗り換えなどなく行けるらしいことが分かった。ただ、ブルノのように全てのバス、トラムでApple Payが、使えるとは限らないようで、古い車両では使えないこともあるとネットに、書いてある。ならばチケットを買っておくのが安全なのだが、どこで買えるのかわからない。ホテルのフロントに聞いたら一日券ならあると言うので、とりあえず買っておいた。
バスに乗って、一日券にタイムスタンプを押した。乗った車両ではApple Payが使える機械があったようだ。すれ違うバスやトラムの中には、かなり古い車両もあり、外から見た限り、確かに新しい機械はない車両もありそうだ。路線によって違いがあるのかもしれないので、観光客に見分けるのは難しそうだ。
バスを降りて、レストランへ歩く途中にマンダリンオリエンタルがある。街並みは、石造りの塀、壁についた街灯が、幻想的ですらある不思議な雰囲気。人通りはほとんどないく、童話の世界のようだったのだが、こんなところに本当にレストランがあるのかと不安にもなりながらGoogle Mapを頼りに歩くとレストランは、すぐに見つかった。水色の外壁。窓はあるが全く光が漏れていない。中が暗く見えて、閉店しているのかと思ったのだが、ドアを開けてみたら、部屋は薄暗い。外からは全く聞こえなかったのだが、すぐ目の前でピアノの生演奏をしていた。玄関がなくいきなり客間に通されたような雰囲気で、各テーブルの蝋燭の火が、開けたドアの風で揺れて、こちらもまた幻想的な雰囲気。すでにほぼ満席という状態だ。
予約していることを告げると、奥のテーブルに案内された。奥の部屋は吹き抜けのようになっていて、二階席もあるとのことだったが、一階席をお願いした。店員さんの一人は、すこしだけ日本語を話してくれる。メニューはいろいろあって、いつものように、スターターとメインを組み合わせて、デザートかななどと考えていたら、一皿の量を減らしたスモールポーションのTasting Menuというコース料理を用意していると言う。また、100mLのワインを料理に合わせて5杯分料理に合わせたペアリングもできるという。このコースの中にお目当てのカモのローストも入っているので、コースとワインのペアリングを頼むことにした。
どの料理も凝っていて、繊細な味付け。フォアグラをフルーツソースで食べて、マッシュされたポテトもリンゴのに挟んである。絶品のカモのローストにも果物を効果的に使っていて、少しずつ違う味を楽しめるので、一口一口、飽きさせず料理を口に運ぶのが楽しみになる料理だった。ペアリングのワインは、主にモラビアのワインで、どれも美味しかった。チェコは間違いなく美食の国である。
スモールポーションとは言われても、メインの鹿のローストが、出てきた時にはもう満腹に近づいていて、美味しいのに少し残してしまったのが悔やまれる。デザートのフルーツやナッツを添えたチョコレートケーキには、ポートワインをペアリング。甘いデザートに甘いポートワインもよく合う。
周りのテーブルを見ると、テーブルのすぐ脇で肉をフランベして出すなど、それぞれのテーブルでステキな雰囲気を演出していた。このレストランは、分店が旧市街にあるが、内装などちょっと雰囲気が違うのかもしれない。壁の絵、様々な小物、飾りなどのしつらえで、レストランというよりは個人のおうちに呼ばれたような雰囲気まで楽しめる。
レストランを出ると、映画に出てくる中世のヨーロッパに迷い込んだような街灯に照らされた石畳の道。あまりに満腹なので、Liftagoでタクシーを呼んでホテルへ帰った。海外の街で夜にタクシーに乗るというのもアプリのおかげでスムーズであることに感謝である
ベッドに横になったら美味しいものを食べて満腹になることの幸せで、もう動きたくなくなってしまったので、シャワーも浴びずにそのまま寝てしまった。
最近のコメント