2023/01/29 懐かしのブルノ散策 (2022/10/20)

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夜中の2時にホテルに入って、洗濯をしてからベッドに入ったのは3時頃。それでも目が覚めて7時半にはホテルの朝食。ドイツのホテルと同じように、ライ麦の黒くてちょっと酸味のある硬めのパンと、クロワッサンやペーストリー、コムハニー(巣蜜)やバター、フルーツのジャム、様々なチーズとサラダ。各種のソーセージ、ハム、スクランブルエッグ、ポテトと、豆を煮たもの。フルーツ、ヨーグルト。フルーツジュース。牛乳はシリアルのところに置いてあって、エスプレッソマシーンと紅茶。

東京だと10月20日はまだそれほど寒くはないが、薄いセーターを着た。チェココルナの現金が全くないので、枕の下にはユーロのコインをチップとして置いて、街へと出かけた。以前、同じホテルで、朝に置いておいたチップが、夕方にそのままベッド横の床頭台に置かれていたことがあったので、ホテルでのチップは不要なのかもしれないが、念のためである。

まずは、チェココルナを手に入れなくてはと、銀行ATMへ。旧市街の自由広場に向かって歩くと、懐かしい街並み。以前と同様、石畳の道、歩道にはゴミは落ちていないし、変な臭いもしないとてもきれいな街である。バスやトローリーが通るのを見ながら銀行(KB: Komerční banka)のATMへ。以前は、ビルの壁にATMが埋め込んであるような形で、広場や道路に背を向けるようにATMを操作する必要があったのでちょっと不安だったのだが、ATMコーナーとして部屋がつくられていた。

三井住友銀行のキャッシュカードも兼ねているSMBCデビットカードがVISAのタッチ決済対応になっていて、海外では現地通貨での引出ができる。ATMコーナーの入り口にはカードのセンサーがついていて、SMBCデビットをかざすとドアのロックが解除されて中に入れる。ATMでは、カードを差し込むのではなく、ウェーブマークの上にかざすだけ。よく海外のATMで聞く、カードが吸い込まれたまま出てこなくなるというトラブルの心配がないのがいい。ATMではイギリスの旗で英語を選んで、操作。チェココルナの現金を無事に引き出せた。現金があればひとまず安心と、散歩にでかけた。

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自由広場をぐるっと見回して、モラビア博物館の前の広場にある野菜市場 (Zelný trh、Cabbage Market) へ。ハロウィーンの大きなカボチャや、Hokkaidoと書かれた赤みの強いかぼちゃ、そのほか、様々な野菜や果物、はちみつや、生花や花飾りなどが売っている。もう少し秋が深まると日本でよく見るものよりも少し縦長の柿もKakiとして売っているのだが、今回はまだない。この市場に来るとペトロフの丘に建つ大聖堂が間近に見える。歩いても数分とかからないところにあるので、間近に見えるというよりも、遠くに聳えているように見えるという方が正しいかもしれない。

二つの尖塔に見守られるようにして市場からブルノ中央駅に向かって坂を下り、線路の地下を通りぬけて駅の反対側のショッピングモールGalerie Vaňkovkaへ。

トイレに行きたくなった時に、ショッピングモールにいればいいというもう一つの安心である。ヨーロッパではトイレは有料の所が多い。そして金を取るのだからもう少しきれいにしてくれればいいのにと思うことが多い。チェコでもトイレは有料のことが多いが、どこでもきれいで気持ちよく使えることが多いように思う。このショッピングモールのトイレもいつもきれいである。ショッピングモールのトイレは、10コルナ(50円くらい)のチケットを券売機で買って入る。券売機では現金、VISAかMasternの磁気クレジットカードか、タッチ決済対応のクレジットカードが使えるし、Apple Payでも払える。iPhoneのウォレットの中のクレジットカードを選んで、券売機にタッチすると緑の〇が表示され、レシートのようなチケットが出てくる。このチケットを、トイレの入り口にいる人の前の箱に入れてトイレに入る。このチケットの代わりに、モール内の店のレシートを見せて箱に入れても入れるようだ。レシートの場合でも箱に入れてしまわないといけないので、レシートを後で確認したいという場合には、ちょっと困るかもしれない。

以前は、チップ以外にも、街でトイレに入るためにはどうしても小銭が必要で、これも不安の種だったのだが、クレジットカードやApple Payなどのタッチ決済の対応で飛躍的に便利になった。手元にスマホがあれば安心して動き回れる。日本で発行されたクレジットカードで、ちょっと古いとコンタクトレス決済に対応していない場合があるが、iPhoneのWalletに入れられればApple Payとしてタッチ決済が可能となるので、今回のチェコの旅では財布を出すことなくスマホだけで決済が完了できた場面が多かった。

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買い物前だったので、今回はApple Payでチケットを買ってトイレに入ると、消毒液と芳香剤の匂いがする。日本のデパートのトイレよりも掃除が行き届いているような感じだ。トイレの後は、モールの中をうろうろ。ウクライナのことがあって、エネルギー価格が上昇しているとのことだったので、心配していたのだが、モールの中はしっかり暖房が効いていて快適であった。本屋ではmangaと書かれた日本の漫画の棚を眺めたり、ファストファッションの店を眺めたり。銀行のATMで引き出したチェココルナは紙幣だったので、これをコインに変えてもらおうと、ミネラルウォーターを一本だけ買って、ホテルに戻ってゆっくりした。

一旦ホテルに戻って休憩をしてから、ランチはホテルの裏手にあるCOSTAでサンドイッチとコーヒー。このCOSTAは日本でも最近、ちらちらと見かけるCOSTA COFFEEと同じかなと思う。ブルノのCOSTA COFFEEはここと、Galerie Vaňkovkaの中に小さい店舗があるのだが、ブルノ中央駅にガラス張りのCOSTA COFFEEが新しくオープンしていた。今度はそっちも行ってみよう。

水の違いでコーヒーの味も違うのかなとちょっと思う。日本の水は軟水で、ヨーロッパの水は一般に硬水と言われ、紅茶を淹れると水色も違ってくるし、香りの立ち方も、味も違ってくる。ロンドンのフォートナム & メイソンのティーサロンに行ったときに、素晴らしくおいしく水色もきれいな紅茶が出てきて感動したことがある。ロンドンでは、普通の水道水で紅茶を淹れると、美味しく淹れるのが難しいのを感じていたので、どんな水を使っているのかを聞いたら、軟水化する装置を通した水を使っているという話を聞いた覚えがある。

コーヒーは淹れた時の色ではよく分からないのだが、ドリップコーヒーで比べると味はヨーロッパで飲む方がすっきりしていて飲みやすい感じがする。ラテやカプチーノなどミルクが入っていると、ミルクそのものの風味が違うのでなかなか比べるのが難しいのだが、ヨーロッパではエスプレッソはあまり渋みがない苦みという感じかもしれない。アメリカ系のスターバックスとイギリス系のコスタコーヒー、ヨーロッパで飲むとコスタの方が好みの味だなといつも思う。それが何の違いなのかまだよく分からない。

ゆっくりコーヒーの味を楽しんでいると聞こえてくる会話は、悲喜交交。来る人、去る人、運が味方してる人、努力してもなかなか芽が出ない人などなど、いろんな話が聞こえてくる。見回せば英語で話している若い人が多かった。たまたまそんな時間帯だったのかもしれない。

少し休んでからバスに乗って少し郊外へ。コロナ前に来た時には、駅の窓口やタバコ屋さんで回数券を買って、バスに乗ってから打刻するという乗り方だったのだが、今回はApple Payで乗れた。BEEP & GO! (Pípni a Jeď!)というタッチ決済が導入されていた(Beep & go! (pipniajed.cz))。

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これは、VISAかMasterのタッチ決済対応のカードあるいは、Apple PayやGoogle Payでブルノ市内の公共交通機関に乗れるというもので、乗ったらリーダーにカードをタッチしてチェックイン、表示が緑になるのを確認。あとは、15分以内にバスを降りる場合には、下りる時にタッチしてチェックアウトすることでShort-time ticketという扱いになりCZK20になる。15分以上乗るのであればチェックアウトは不要で、基本的には60分(あるいはバス等の終点まで)CZK25の定額という扱いのようだ。

以前は、バスのチケットはどこでも買えるというものではなかったので、回数券でも持っていないと、券売機がない停留所から乗る時には困る事態になったのだが、タッチ決済のカードやApple Payで乗れるとなると、だいぶ楽になる。バスの中には打刻のための機械もまだあるのだが、もう使う機会はなさそうだ。日本のバスもPASMOやSUICAで同じように乗ることができる会社があるが、交通系のカードではなくても乗れるというのは特に旅行者にとっては便利な仕組みだ。

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ブルノ駅の近くのバスの停留所にはチケットを買う券売機がまだあるが、ちょっと郊外に出かけると券売機を見つけることができない。また券売機があっても、旅行者には分かりにくいのである。やはりタッチで乗れるというのはありがたい。

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夕食に予約しているレストランに行く時にタクシーに乗るので、タクシーアプリもiPhoneに入れておくことにした。日本でも何種類かタクシーアプリがある。たぶん、チェコにも複数あるのだとは思うが、とりあえず、Liftagoというアプリを選んでApp Storeをダウンロード、メールアドレス、スマホの電話番号、クレジットカードの登録をすると使えるようになる。位置情報は使用中のみ利用を許可でよさそうだ。表示がチェコ語になっている場合の、言語の設定は、アプリ内の設定からではなく、iPhoneの「設定」を選んで、アプリの名前が並んでいるリストからLiftagoを選んで、「優先する言語」を選ぶと、チェコ語か、スロバキア語か英語の中から英語を選ぶ。クレジットカード情報が正しいのか、ちゃんと決済ができるのかを確かめるためなのかもしれないが、登録の際に1コルナをカードから引き落とすがいいか、というような確認画面が出てきた。確認できればすぐにその1コルナは戻すということらしい。これは、確かに登録日に1コルナがカードから落とされて、その日のうちに1コルナが戻ってきたので、特に問題はなかった。

Liftagoは原則としてはタクシー会社のタクシーを配車するアプリで、ウーバーのように素人がその時だけ客を乗せるという仕組みではないようだ。アプリで乗る場所と降りる場所を指定すると、すぐに近くにいる空車のタクシーから、車種や想定される料金、到着までの時間が複数入ってくる。その中から、料金や車種など気に入ったものを選べばいい仕組みだ。選ぶと、車の色、ナンバーなどが通知されてくる。アプリの地図上には、その色の車のアイコンがだんだんと近づいてくるのが確認できる。乗る時には、車の色とナンバーを確認して乗り込む。

運転手のスマホには、すでに行先などが表示されているので、話をしなくてもすぐに出発。希望の場所に到着すると、運転手がスマホを操作して、アプリに登録してあるクレジットカードでその場で決済されるので、ここでも話をすることもなく、バイバイという程度で降りられる。配車する際に、料金が確定している場合と、距離に応じた予測金額となっている場合とがあるが、予測金額となっている場合であっても最初に提示された金額から大きくずれることはなく、安心して乗れるようだ。

海外でのタクシーは、遠回りされるとか、ぼられるとか、いろいろと怖い話がネットには載っているLiftagoの仕組みだと最初に料金がわかっていることと、特に現地の言葉を話せなくても問題ないので、安心で助かる仕組みだ。

Pavillon Steak Houseで夕食。和牛のステーキも食べられるという店だ。店に入ると前にも来たことがあるような既視感に囚われたのだがよく覚えていない。ステーキハウスに業態が変わる前に来たことがあるような気がする。

スターターにはスープ、サラダ、メインのステーキは和牛がかなり高価なので、Tenderloinを選んだ。ステーキの値段は100g当たりで表示されている。あとは、Sidesと呼ばれるもので、ステーキと供に来るサイドディッシュ。ステーキは黒いさらに塩をちょっとまぶして出てくるのだが、日本のステーキハウスでよくあるような付け合わせ的なものはSidesとして別途注文しなければならない。メニューにはフレンチフライとか、コーンとかがあるのだが、盛り合わせのような感じにはなっていない。単品でフレンチフライ、コーンが豪快な量で出てくる。焼き加減も塩の振り加減もよく、とてもジューシーなステーキだった。

ワインはスターターに合わせて白ワインと、メインのステーキには赤ワイン。グラスでもボトルでもリーズナブルなものから高価なものまでいろいろと揃っていた。グラスワインのおススメがとてもおいしかった。ヨーロッパでアラカルト料理を頼むと、一皿の量がいずれも多くて、いつもデザートにまでたどり着けないのが残念になるのだが、今回も残念。デザートは食べられなかった。

明日からはプラハで2泊して、また戻ってくる予定なので、ホテルに帰ってから、一旦、パッキング。プラハへはナップザックで行くことにして、スーツケースはホテルに預けて行くことにした。

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