チューリッヒ空港での乗継時間はほぼ2時間。入国手続きで長い列になることもなかった。成田で言われた通り乗継カウンターで話しかけたら、ボーディングパスは搭乗口で貰うように言われて、その場では荷物の控えを確認して、荷物はケルンまで預かっているから大丈夫とニコッとされた。空港での移動距離が短くとてもスムーズだった。
チューリッヒからケルンまではユーロウィング。搭乗口に係員が来たのは搭乗1時間前くらいで、ボーディングパスをようやくもらえた。コロナ禍で落ち込んでいた航空需要が急に戻ったためなのか、空港業務や荷物の取扱いをする人員が不足していて混乱があると聞いていたのが、Eurowingsが運航するスイス航空のコードシェア便は、ほぼ時間通りケルンへ向けて出発。
日本からBusiness Classで来ると、乗継便もBusiness Class扱いにしてくれるようだが、シートなどは同じで、隣に人が座らないから広く使えて、ドリンク・フードサービスが有料ではない。一時間程度のフライトなのでそれほどのサービスは要らないのだが、夜10時近くにケルンに着いてから食事をするのも大儀なので、ちょっとした食事のサービスでも助かった感じがする。
チューリッヒからケルン行きはビジネスクラスもいっぱいで、かなり混んでいるフライトであったようだ。ケルン空港に到着して、荷物を受け取ってから、ユーロの現金がほぼ皆無だったので、三井住友銀行のキャッシュカード兼VISAデビットカードを、空港内のATMに差し込んでユーロで預金を引き出した。日本の口座からデビットカードで現地通貨で下ろせるというのが便利であるが、夜でも動いているATMがあって助かった。キャッシュを使う機会はかなり減っているのだが、タクシーの支払と、チップ、仲間と食事をした際の割り勘での支払いなどの時にどうしてもちょっと必要になる。ケルンのタクシーも、アプリがあって、アプリで呼んでアプリで支払もできるようなのだが、空港だと、タクシー乗り場に止まっているタクシーに乗ることになる。この時にクレジットカードが使えるのかどうかがよく分からないので、結局、現金を用意してしまう。日本のように社内や窓に使えるカードのロゴが貼ってあるタクシーをドイツでは見たことがないので識別が難しい。
タクシーに乗る時には、英語で話ができるドライバーにあたるとは限らないので、行先のホテルの名前や住所は、予め、紙に大きな字で印刷して持って行くことにしている。今どきはスマホでと思うのだが、小さい字が読みにくい年齢の人が多く、かえって面倒なことになるがこの紙一枚で避けられるのである。
空港で荷物を受け取ってから、ケルン・ボン空港の中をATMに行き、タクシー乗り場に行きしている間にすれ違った人たちは誰もマスクをしていなかった。もちろん、タクシーの運転手もマスクはしていない。マスクなしの生活が当たり前になっている国に来たのだと改めて実感。空港から市内のホテルまでのタクシー代は50ユーロくらい。工事があったためかもしれないが、運転手が道を間違えてちょっと迷ったのだが、一旦、メーターを止めて、ホテルの前まで改めて行ってくれた。この辺りは、ドイツ人の気質だなと思う。
東京の家を出てから丸24時間以上の移動を経て、ようやくホテルに着いたのは23時を回っていた。ホテルのフロントでもマスクはしていなかった。さて、明日は朝から仕事なので早く寝ようとは思うのだが、まずはホテルのWifiに接続。以前は、ドイツのホテルでの いわゆるhighspeed Wifi接続は有料なのに、実際にはあまりスピードが出ないことが多かったように思うのだが、今回は、Wifi接続無料、パスワードなしですぐにつながって、本当にHighspeedになっていた。
旅先がいわゆる先進国ほど、設備が古いまま使われているということがある。ケルンのこのホテルに最初に泊まったのはほぼ15年前。当時は比較的新しかったサービスも、更新される時期になったのか月日の流れを感じる。
なんのアメニティもなく、スリッパ、バスローブもないとてもシンプルなホテルだ。バスタブはなく、シャワーブースだけというホテルがヨーロッパでは多くなっている印象だ。バスタブがあったときにかかっていた防水のカーテンを見ることはなくなった。ガラスの板で仕切るシャワーブースは、カーテンよりも掃除の手間が省けるのかもしれない。
部屋はあまり温まらないのは、エネルギー価格が上がる前から特に変わらないようだ。ホテルの朝食の内容は全く変わらない。シリアルや固くて黒いドイツパンなど様々なパン。チーズやハム、ソーセージとベーコン、卵、ビーンズ、フルーツ、ヨーグルト。
会社の建物は、コロナで多くの人が在宅勤務の間に改装をしていて、新たにエアコンが設置された。もともと暖房設備はあるのだが、夏でもそれほど暑くはならなかったということで冷房設備はなかった。確かに窓を開ければ十分な日が多かったし、暑くなる日があっても年に数日だけだった。それが、ここ数年は夏の気温が高くなったということで冷房完備となった。気候変動の影響なのだろう。
月曜日は朝から仕事、会議。会社の中ではほとんど誰もマスクはしていなかった。よく日本で見かけるアクリル板のパーティションなども全く見かけない。特に換気に気を使うというようなこともない。食事の時もみんなで集まってお話をしながら食べるという、普通の日常が戻っていた。
夜には仕事から解放されてライン川沿いの地中海料理の店へ。地下鉄に乗って、社内で切符を購入。車内の自動販売機では、現金、クレジットカードが使える。コンタクトレス決済のマークもついていたので、いわゆるタッチ決済のカードなども使えるのだろう。イギリスの国旗マークをタッチすると英語表記になる機械なので、操作には困らないが、不安になるくらい機械の反応が鈍いのは、やむをえない。車内で買った切符は、打刻の必要はないとホームページに記載があるが、回数券など窓口で買ったチケットは、打刻が必要になる。車内を見回すと、何の注意書きもない打刻用の機械は相変わらず。この機械にチケットを差し込むと日付と時刻のスタンプが押されることで、Validationになる仕組み。
ケルンの公共交通機関を運営しているKVBの英語のホームページ、Tickets for single journeysを読むと、”Ticket validation Tickets purchased at retail outlets must be validated on board the respective transport service. Tickets purchased from ticket machines are already validated.”と書いてはあるのだが、この仕組みに慣れていない人には、どうやったらValidationができるのか、分からないだろうなぁといつも思うのである。スマホのアプリでペーパーレスチケットも買えるので、社内で見ていても、この打刻機を使う人はほとんどいないので、他の人の乗り方を見ていれば分かるというものでもない。なかなか難儀な仕組みである。
Kölner Verkehrs-Betriebe AG (kvb.koeln)
Tickets availeble for buses and trains in Cologne | KVB
今回のケルン滞在中は、有名なケルンのビールKölsch(ケルシュ)が飲めるビアホールには行かず、地中海料理やスペイン料理の店に出かけて行った。若者が多く集まる地域ではそのような店の方が人気なのだそうで、Kölsch(ケルシュ)を飲みにビアホールに行くのは他所から人が来た時とも言っていた。なるほど、そうなのかもしれない。ケルンに住む人が普段友だちと外食するときに出かける店を今回は堪能してきた。ケルンの郷土料理ではなく、普通においしく、楽しい夕食であったのだが、ケルンのビール文化が廃れないことも心から祈っている。
3日間、仕事をして、本当であればもう一泊して翌朝、飛びたかったのだが、ホテルが満室で延泊ができないということで、夕方にはタクシーで空港に向かい、夜にウィーンへ飛んだ。
ドイツからオーストリアへの飛行機は、EU内なので手続は至極簡単。ケルン空港のターミナル1にあるラウンジ The Lounge Koeln-Bonn はゲートCに向かって進むと、コンコースの中央にある。ワイン、瓶ビールのほかに、タップからでてくるビールを自分でグラスに注いで飲める。軽食も揃っていて、居心地よく過ごせる。
ほぼ同じ時間帯のウィーンへの飛行機は2便あり、ユーロウィングはキャンセルされて、予約していたオーストリア航空は無事飛んでくれた。ケルンからウィーンまでのオーストリア航空のビジネスクラスでは、20時35分発と夜の便だからか、温かい食事を出してくれる。パスタとパン、そして、生クリームを添えた小さいザッハトルテ。このザッハトルテを口に含んで、アンズのジャムの風味をフワッと感じながら、オーストリアに向かっているんだなと実感。チョコレートの楽しみ方がスイスともドイツとも違うなぁといつも思うのである。
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