数年前から、「年賀状は今年で終わりにします」と書かれた年賀状が何通かずつ届くようになった。お年を召した方からだったので、終活なのかと思っていた。それが同年代の人たちからそんな宣言があった平成最後の年賀状。それぞれにそれぞれの区切りをつけようとしている五十代。区切りをつけて仕切り直せるものなら直したい。でも現実の生活は年賀状ほど簡単には終わりにできないよね。
子どもたちは紙の年賀状なんてあっさりきっぱり止めてしまっているのに、そうもできない。パソコンもスマホも使えないわけではないから、結局、葉書でもSNSでも「おめでとう」。すべてがスマホの世界の子どもを育てながら、スマホがいじれない親世代にも対応している。
情緒があるから年賀状がいいとか悪いとかじゃない。葉書が面倒くさいのじゃなくて、この五十代という世代が面倒くさい。職場でも家でも、頑固な昭和としなやかすぎる平成を、撓みながら、しなりながら懸命につないでいる添え木のようなもの。気づけば自分の体がガタついていて、支えきれなくなっても不思議はない。平成の終わりともに、お役目御免、ちょいと早い終活に着手したくなるのも分かるのである。
分かりはするけど、きっと今年も師走になれば今まで通り年賀状を用意するんだろうな、面倒だなと思いながら。あぁあ、今日も酒がうまいな。
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